カナリア諸島
2009年 10月 05日
ボードゲーム『カナリア諸島:Islas Canarias』のご紹介。
カナリア諸島とは、アフリカ大陸北西の沿岸近くに点在する
7つの島から成る諸島。本国から遠いですがスペイン領です。
この島々には様々な国からの移民が多く住んでいたという歴史があり、
このゲームもそういった背景をテーマにしています。
【2〜5人用/定価3,800円/レオ・コロヴィーニ作】
海外のボードゲームはそのパッケージアートも魅力のひとつ。
船で島に上陸してきた移民たちが建物を建設している様子が
よくわかるイラストで、ゲーム内容をズバリ表現しています。
まずプレイヤーは、自分が所有し開拓していく島を選択します。
6つの“島ボード”はそれぞれにレイアウトが異なっていて、
土地を表す茶色の部分は正方形の“区画”で区切られています。
この区画により多くの建物を建設しポイントを競います。
続いて、手札となる“移民カード”を5枚ずつ配ります。
残りは山札にして場に置き、さらに山札の一番上のカード1枚を
伏せたまま山札のとなりに置いておきます。
カードに表記されているのは“建物の色”と“建てたい場所”。
手番ではこのカードを1枚出して、該当する色の建物を自分の島に
建てていくわけですが、そこで問題なのが“建てたい場所”。
左から順に第1希望から第4希望までの地形が描かれており、
これらの地形に隣接した空いた区画に建設せねばなりません。
つまり、写真中央のロバを引いた男の場合だと
「緑色の建物を海に隣接した区画に建設。空いてなければ道の脇へ・・」
という具合になります。
建設可能なら条件にあった区画にその色の“家コマ”1コを建設。
家コマは1コにつき1ポイントですが、同色の家が2コ建てば合体して
“宮殿”にグレードアップ。宮殿コマは1コで3ポイントです。
しかし、同色の家コマが3コ揃えば“都市”にすることができて、
こちらは1コで5ポイント。
手札に同色の建物が揃っていれば都市化を狙いたいところですが
なかなかそう上手い具合にはいきません。
家コマを合体させることで区画整理にもなり、その後の建設がより容易に
なるので早々に宮殿にするか、都市までガマンするかが悩みどころ。
手札を1枚使って建物を建てたあと手札から新たにカードを1枚選択し、
山札のとなりに伏せて置いてあるカードの上に伏せたまま重ねます。
ここまででプレイヤーの1手番は終了です。
全員の手番が終了したら、山札のとなりには人数分+1枚のカードが
伏せて置かれているはずです。
これらをよくシャッフルして1枚だけ公開します。
この移民カードに記された条件に最も合致したプレイヤーは追加で
建物を1コ建てることができます。
要するに、ここに置かれたカードには各自の思惑+ランダムに選ばれた
1枚のカードが混在しており、誰が追加で建物を建てられるかという
ちょっとしたギャンブル要素になっているのです。
その上、自分が投入したカードでも他人の方が条件を満たしていた
場合はそちらに建設されてしまうので、自分以外の島の状況もしっかり
見据えた上でカードを選択しなければ無駄になります。
移民たちの“建設希望地”という要素も珍しくて面白いですが、
ターンの最後にめくられるこの1枚に全員がドキドキできる点は
非常によくできてるなぁと思います。
ゲームは最初に19ポイントに達したプレイヤーが勝利。
状況に応じて所有者が替わり特殊効果が発揮される“特権カード”や
相手の開拓をジャマすることができる“海賊カード”など、シンプルで
わかりやすいルールながらゲームを盛り上げる要素はバッチリです。
ただ、僕の場合は何よりも沢山のカラフルな木製コマに一目惚れ♪
色ごとに異なるデザインという作りの凝りようも素晴らしいです!
衝動買いに近いものがありましたが、内容も予想以上に面白く大満足!
自分だけの島のレイアウトに頭を悩ませつつ、より繁栄させるための
先を見越した計画性と運の要素が適度に加味された良いゲームです。