B型デザイナー・タカの趣味日記


by samune_3
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【ボラ記3】さようなら

「そ、そんな仕事、急に言われても無理ですよ!」

自宅を発つとき、漠然と想像してたボランティア像は
トラックから物資を降ろしたり仕分けしたり・・・

そんな中の一員として、一週間程度活動して岡山に
帰るイメージでいたのだが、彼女の仕事を引き継ぐと
なると、それどころではない。

「僕には無理なので、他のボラに移ります!」

そう言って僕は、このボランティア事務所をあとにした。

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・・・なんてマネが、たくさんの被災者を目の前にして
できるわけもなく、彼女は次の避難所でも同様に僕を
後任として紹介して回った。

彼女と談笑したあと、僕に向けられる皆の視線は一様に
「頼りなさそうなヤツやのぉ」「大丈夫か?コイツ」と
いった有りのままの姿を物語っており、居たたまれない。


2カ所の大きな避難所と区役所の通路や階段の踊り場など
少人数が暮らす数カ所を巡回したあとテントに帰った。

「強引な引き継ぎでゴメンナサイ。頼める人がいなくて」

彼女は申し訳なさそうに言ったが、本当に強引極まりない。
まだボランティアのメンバーとすら知り合っていないのに
ただでさえ人見知りする僕が、このボランティア事務所が
管轄する避難所の被災者全てを担当するなんて無茶だ。

というか、なぜそんな大役を見ず知らずの僕に委ねる気に
なったのか?聞いてみた。


「う〜〜ん、なんとなく。直感で(笑)」


わかった、もういい!やりますよ、やればいいでしょ!
気分は“いやいやロボットに乗らされるヘタレ主人公”

彼女は笑顔で一日のスケジュールの詳細と注意点などを
丁寧に僕に伝授した。

・早朝と夕方のお茶出しは楽しみにしてる人が多いから
 続けてほしい。そのときお年寄りの様子の変化などを
 しっかり観察してほしい。

・物資の注文は毎日必ず聞いて、可能なかぎり要望に
 応えてあげてほしい。皆ストレスが溜まってるから
 中には口が悪い人もいるけど・・・
 そこはまぁ辛抱強く頑張ってください(笑)

などなど、引き受けたものの不安は天井知らずに募る。


そうこうしてるうちに昼食の時間。
彼女を筆頭に他のボランティア達と協力して、配給の
弁当を台車に乗せて配り歩く。夕食も同様。
配り終えたあと、弁当は大抵10個前後余ってるので
テントに泊まり込みのボランティアで分ける。

当たり前だが、男女がテントでザコ寝するわけには
いかないのでボランティア事務所に泊まり込めるのは
男性のみで、女性は活動を通じて仲良くなった地元の
ボランティアの家や避難所に寝泊まりしながら通った。

県外からの参加で宿泊が必要な場合、未成年者は登録
できなかった。僕はこのとき19歳だったが、数日後に
20歳の誕生日を迎えるということでOKが出ていた。


一日の仕事が終わり、彼女やミサワさん、他数人と
一斗缶の焚き火を囲んで語り合った。
皆、何もかも初めての僕を励ましてくれてたと思うが
次の日のことで頭が一杯で何を話したのかサッパリ。


夜も更けて、解散のとき。
友人の家に泊まり、朝早く地元に帰る彼女を見送る。

「私の分も頑張ってくださいね!さようなら」

そう言い残し、最後まで笑顔で手を振っていた天使の
(顔した悪魔の)名前が、どうしても思い出せない。
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by samune_3 | 2011-03-24 15:01 | ボラ記