最近読んでるマンガ
2011年 04月 22日
たまに立ち寄る丸善で『今敏追悼コーナー』をやってて
前々からこの人の映像作品はどれも大好きだったので
平置きされてたコミックスまとめて購入。
ご存知の方も多いでしょうが、今敏(こん さとし)さんは
日本を代表するアニメーション映画監督。
デビュー作『PERFECT BLUE』をはじめ、彼の作品は全て
極めてクオリティーが高く、制作中の新作『夢見る機械』も
心待ちにしてたんですが、去年膵臓癌で亡くなりました。
死の直前にブログに書かれた遺書が話題になりましたが、
僕もこの訃報を知ったときは本当にショックでした。
監督業についてからは描かれてないようですが、元々は
漫画家で、それも相当な画力の持ち主。
『OPUS』は1995年、コミックガイズ(学習研究社)で
連載を開始しましたが、翌年なんと同誌が休刊!
未完のまま単行本も発売されず、幻の作品でしたが・・・
なんとなんと!ペン入れも途中の最終話原稿が発見され
それをそのまま収録して上下巻として発刊されたのです。
今監督の映像作品は、背景の緻密さが凄まじいですが
マンガもやっぱり凄い!上手い!
ストーリーは、連載をかかえた漫画家がある日自分の
作品の世界に入り込んでしまい、自分が生み出した
キャラクターたちや物語の中で奔走するというもの。
人物の表情、動き、ひとコマひとコマの構図、線、
全て見事としか言いようがない!(褒めすぎか(笑))
ほとんど下書き状態の非常識な最終話も含めて、最高に
面白かったです♪ラストまで夢中で読んでしまいました。
続いて『海帰線』
こちらはメジャー雑誌ヤングマガジンにて1990年から
連載され、ちゃんと完結し単行本も発売されました。
絶版でしたが、このほど新装版として発刊。
リゾート開発で強行派と反対派がぶつかる海辺の町で
古くから伝わる海人の伝説。
環境問題や伝説を蔑ろにしたために起こる災いなど
現在ではもう使い古されたテーマとストーリーですが、
享年46歳の今監督が20代半ばでこれを描いたことを
考えると、若いときからその後に繋がる才能が溢れて
いたんですね。
『今敏 全短篇・夢の化石』は、タイトル通り短篇集。
1984年に描かれた処女作から1988年までの全ての
短篇を(カラー作品は全ページカラーで)収録。
今監督が、のちに美術設定として制作に参加する傑作
『老人Z』っぽい話や時代劇から近未来モノまで
多彩な物語が楽しめます♪
そして、読み始めたばかりの『セラフィム』
リンク先の作者本人が語る作品解説を読んでもらえば
わかりますが、原作が押井守という豪華な作品。
・・・なのですが、色々あったようです(笑)
まだ序盤ですが、大作映画になりそうな雰囲気が
プンプンしてる重厚な設定とストーリー。
未完なのが悔やませますね。
さて、最後に紹介するマンガは今敏作品ではなく
大本海図作『Wings Songs.』
つい先日まで、この作者のことも作品のことも全く
知らなかったんですが、たまたま本書の中身を
チラ見する機会があって・・・
ビックリ!全ページフルカラー!しかも上手い!
作品自体は2002〜2003年までコミックガムで
連載されてたそうで、ファンの人はまさに待望の
単行本化ではないでしょうか。
研究者であるヒロインが高い知能と独自の文化を
持つ鳥の種族と交流を図る架空の世界の物語。
よくまぁこのクオリティーの作画で連載なんて
してたもんだなと感心する圧倒的なビジュアル!
色使い、デザインセンスも非常に好み♪
話は、正直よくわからない部分もありましたが
超豪華なイラスト集として見ても大満足な一冊。
ここんとこ、あまりボードゲームする時間が
取れなくて(ホントかよ!)マンガ読む機会が
多いんですが、素晴らしい作品に没頭してる
時間ってのはホント幸せですね〜♪
そのうちバンド・デシネも読んでみたいなぁ。