ホームステッダーズ第二版
2011年 12月 27日
初版は2009年発売。前から所々でレビュー見かけてましたが
なんとも地味な見た目と初版のコンポーネントの質の悪さで
全く気に留めていませんでした。
ところが先日、コンポーネントを改善した第二版なるものが
発売され、何となく和訳ルールを読んでみたところ・・・
「コレだ!このゲームはわが家でウケるはず!」と確信。
【2〜4人・プレイ時間約90分】
あの超名作(?)格闘ゲーム『ジャブ』を世に出してくれた
Tasty Minstrel Games社製。パッケージかっこいいです。
舞台は1860年頃のアメリカ西部開拓時代。
プレイヤーは旧西部の入植者となり、一軒の家屋から町へ
町から都市へと植民地を発展させ、名声を競います。
で、どういう内容かと言うと
住居(Residential)工業(Industrial)商業(Commercial)の
3種類の分野の『建設用地』を競りで取り合い、
それぞれに対応する様々な効果を持った『建物』を建てて
資源やお金を生み出し、名声(勝利点)に換えていきます。
資源を表す多彩な木製コマ。ひとつひとつ良いデキです。
労働者、鋼鉄、木材等この手のゲームでよく見かける素材たち。
食料を表すリンゴや家畜を表す牛の模様とか可愛らしいです♪
茶色の台形は銅、黄色いのは金、保安官バッヂは勝利点チット。
Tの青いタイルは『交易チット』という本作を象徴する要素で
これの説明は後述します。
各プレイヤーは、まず初期の建物として『家屋』のタイルと
初期資金の銀貨6枚、労働者1人とプレイヤーマーカー2個を
手元に。あと、写真にはないけど資源等を隠す衝立ても付属。
各ラウンドは『収入フェイズ』から始まります。
このフェイズでは、最初に「建物タイルに労働者を配置」し
「建物からの収入獲得」最後に「労働者への賃金支払い」
労働者コマを手元の建物タイル上の労働者マスに置くことで
該当する収入を得られます。写真では木材を選択してますが
右のマスに置くと1勝利点を獲得できるということです。
さらに『家屋』の定期収入として、タイルに示されている
銀貨2枚が毎ラウンド無条件で入ってきます。
なので、このラウンドの収入は銀貨2枚と木材1。
その後、労働者1人につき銀貨1枚の賃金を支払います。
続いて、建設用地への入札を行う『競りフェイズ』
3つの競り場がありますが2〜3人プレイでは2つだけ使用。
それぞれの場に用地タイル10枚ずつを裏向きの山にして
一番上だけ表に。これらがこのラウンドで競る用地。
左の用地タイルを競り落とした人は住居か商業系の建物、
右の用地なら工業系の建物限定で建設できます。
競りのシステムは非常に簡単で、スタートプレイヤーから
順に任意の競り場の価格欄にマーカーを置いていきます。
あとから置く人は当然より高い価格に置かねばなりません。
各競り場で最高値をつけた人は、もうマーカーを移動する
ことはできません。
それ以下の人は別の競り場に入札するかパスします。
写真の状況だと赤プレイヤーのみ右の用地に再入札するか
パスして降りるかを選択します。
パスした場合は、ボード下部『線路トラック』に配置した
マーカーを1マス右に移動させ、そのマスと通過してきた
マスに描かれた資材の中からひとつ選んで獲得できます。
当時、東西を結んだ大陸横断鉄道を表現してるんですね。
さて、競りで用地を勝ち取った人は、落札価格分の銀貨を
ストックに支払い、予め中央に並べられた建物タイルから
用地に該当する物を選んで建てられますが、建設するには
タイル左上に描かれた資材コストが必要です。
例えば、住居or商業用地タイルを落札した人が住居を選択。
その中から『農場(Farm)』を建てる場合、コストとして
木材1つをストックに支払って、手元に配置します。
農場は、収入フェイズで労働者配置の選択肢を増やします。
上段なら交易チットと銀貨2枚、下段なら食料1つ。
追々労働者を増員すれば両方に配置することも可能です。
以上2つのフェイズでラウンド終了。10ラウンド繰り返し、
最後に1回だけ収入フェイズを実行してゲーム終了。
全10ラウンドは3つのステージ(時代)に分かれていて
それは用地タイルの上部に示されています。
入植(SETTLEMENT)、町(TOWN)、都市(CITY)で
建設できる建物が異なります。(一部共通)
ステージ表記は建物タイルにも書かれています。
ラウンドが進みステージが移行すると前ステージの建物は
全て中央から撤去され、新たな建物に差し換わるのです。
ぜひとも建てておきたい建物はあるけど、そのためには
競りに勝つ資金力と建設コストを時代が移り変わる前に
用意しなければなりません。
「このラウンドは競り勝ったけど次は競る体力ないよ!」
そんなあなたに朗報♪
このゲーム、いつでも好きなだけ借金できるのです!
銀貨2枚借りるごとに、もれなく『借金チット』1枚付。
借金チットはゲーム終了時に枚数に応じて減点されます。
1枚なら1点、2枚目は2点、3枚目は3点・・・と上乗せ。
つまり3枚残ってると1+2+3で6点減点という計算。
借金チットを返済するには1枚につき銀貨5枚の高金利!
しかし「いつでも借りられる」という魅惑の謳い文句の
おかげで、競りフェイズではモロ性格出ます(笑)
最後に、本作の一番楽しい要素『市場での商取引』
写真の一覧表は、上が“購入”で下が“売却”
このレートに従って、これまたゲーム中「いつでも」
自由に資源の売買をすることができます。
注目は、全ての取引で『交易チット』が必須な点。
交易チットは商取引能力を表現していて、主に商業系の
建物からの収入で獲得することができます。
商才が無ければいくらお金と資源があってもダメ!
建物は定期収入を獲得するだけでなく、ゲーム終了時に
条件に応じたボーナス点が入るものや建物タイル自体が
高得点のものなど様々。
非常にシンプルにまとめられた競りのシステムと建設。
その合間に自由に実行できる商取引と資金調達・・・
このやり繰りしてる感がものすごく楽しい傑作です!
普段なら必ずテストプレイしてから嫁さんに勧めますが
これはお互い建物タイルの内容を把握しきらずに対等な
状態で対戦しようと思い、ぶっつけ本番。
「嫁さんも絶対気に入る!」という確信どおり、競りも
取引もとにかく熱い!
早々に必要な資金と資源の供給元を確保し、少しずつ
労働者を増やす嫁さん。相変わらずやり繰りが上手い。
一方、負けじと強力な建物を建ててやろうと競りに
熱くなる僕・・・全てが相変わらずなこの構図(汗)
終盤、互いにギリギリまで資産を絞り得点獲得に走る!
結果47対46!なんと1点差で勝利〜!
この手のゲームで嫁さんに勝てるなんて!!
今年最後の大一番!ありがとう2011年!!
最高のゲームをありがとう!!
嫁さん「フッ(笑)借金返してからハシャぎなさいよ」
僕「へ?・・・あっ!あぁぁー!いやぁぁぁーー!!」
傍らに借金チット3枚残・・・結果修正41対46(泣)
でもゲームは間違いなく今年のタカ家No.1です♪