ジャブ
2011年 08月 18日
『ジャブ』はこれまでなかった、リアルタイム戦略カードゲームだ。プレイヤーはボクサーの拳を操り、自分に来るパンチを防御しつつ、相手にパンチを繰り出すことになる。しかし、『ジャブ』には他のゲームのような手番は無い。自分が望むペースでゲームを進めることが可能である。しかし、実際のボクシング同様ペースを上げればいいというものではない。重要なのは、抜け目なく立ち回ることだ。(リリース文より)
↑これ読んで興味持つなと言う方が無理ってもんで
発売前から待ちに待ってたカードゲーム『ジャブ』
【2人用・プレイ時間約15分】
最近、どんなに面白そうでも似たようなシステムの
ボードゲームだとあまり食指が動かなくなってて、
そんな中「遊んでみたい!」と思えた数少ない一作。
内容物一式。
プレイヤーは、白人か黒人のボクサーを選択し
それぞれの頭部・右ボディ・左ボディのカードと
パンチカードデッキ(写真左上と右上)と円形の
体力トークン5つずつを受け取る。
写真左下のカードは、『カウンター』カードで
右下のは『コンビネーション』、中央上の2枚の
タイルは『ゴング』と『クリンチ』これらは後述。
パンチカードデッキの内容は両者同じで、5種の
パンチ、ジャブ・フック・クロス・アッパーと
ヘイメーカー(ノックアウトパンチ)があって
背景の色もそれぞれに5色。
左上の数字はパンチが決まった際の得点。
プレイヤー同士向き合った状態で、このように
セッティングします。
互いのボクサーも向き合うように配置し、自分の
パンチカードデッキをシャッフルして2つの分け、
裏向きの山にして手元に置きます。
場の中央にはカウンターカード、ゴング&クリンチ
タイルとコンビネーションカードは脇に。
体力トークン5つも手元に置いておきます。
準備が整ったらゲームスタート!
まずは左右のパンチデッキを山ごと表に向けます。
このとき「相手がカードの扱いをミスって山札を
場にぶちまけても待ってやる必要はないぜ!」と
ルールブックにも書いてあるとおり(笑)本作は
手番ナシの完全リアルタイム対戦!
手順は簡単。手元のパンチデッキの左側は左手で
右側は右手で、一番上のカードを取って・・・
相手の3カ所の部位めがけて打つべし!打つべし!
パンチカードをどんどん重ねていきます。
両手を駆使して両者同時進行でパンチを出し合い
ながら、ガードや技を織り交ぜろ!
【ガード】
相手が打ってきたパンチに対して、同じ種類または
同じ色の自分のカードを重ねることでガード成立!
ラウンド終了時の集計で相手の得点を減点。
【コンビネーションパンチ】
脇にあるコンビネーションカード山札の一番上の
カードに記されたパンチが揃ったら・・・
コンビネーションパンチ成功!「コンボ!」と叫び
すかさずそのコンビネーションカードを奪い去れ!
ラウンド終了時の得点に加算することができる。
難易度によって得点の大きさもちがうぞ!
【ヘイメーカー】
パンチカードの中でもヘイメーカーだけは、ただ
打っただけでは何の効果もない。
続けざまに同じ色の任意のパンチを繰り出すことで
相手の体力トークンを2奪える!
決まったら「ドカーン!」とか何とか叫んで、相手の
手元の体力トークン2枚を無理やり奪い去ってOKだ!
相手の体力を0まで削り、さらに体力を奪うパンチを
喰らわせばノックアウト!その瞬間キミが勝者だ。
しかし、ヘイメーカーはあらゆるパンチでガード可。
つまり立て続けに同じ色のパンチを出せるチャンスを
見定めつつ、自分の懐にも細心の注意が必要になる。
【カウンター】
場の中央に出ているカウンターカードと同じ色の
パンチが両者に出現したらカウンターのチャンス!
自分の側のパンチカードを“片手で隠しながら”
「カウンター!」と叫び、カウンターカードを取ろう!
同時に相手の体力トークン1枚奪取!
さらにラウンド終了時、2得点になるぞ。
カウンターカードは5色。早い者勝ちなので互いの
打ち込んだパンチの色に注視してチャンスを見逃すな!
相手より早く全てのパンチを打ち尽くしてしまったら
ゴングタイルを取って「ラウンド終了」を宣言しても
かまわないが、その場合5点減点される。
相手がモタモタやってるうちに猛ラッシュで試合を
片づけてしまうのも手だが、この減点は大きい。
体力が0になったら、フィニッシュブローを貰う前に
意地を張らずにクリンチタイルだ。
相手から体力トークンを2つ取り戻し復活できるが
3点の減点。でもノックダウンよりマシだろ?
両者パンチカードを出し尽くしたらラウンド終了。
どちらも立っていられたなら勝負はポイント判定だ。
まず、自分の3カ所の部位の中からひとつ選んで
そこに打ち込まれたパンチカードを全て除外する。
そして、残った2カ所についてはどちらか一方を
“相手が”選び、そのパンチカードが相手の得点。
つまり、最初に「ここは打たれ過ぎたな〜」と思う
部位を除外し、続いて相手の部位2カ所の中でより
自信がある箇所を選択するというわけだ。
黒人プレイヤーは相手の右ボディを選択。
得点の集計法は、まず自分が打ち込んだパンチから
相手のガード成功枚数分が引かれる。
しかも高得点のパンチから引かれるので、この場合
白のガード成功3枚だから黒の2点のパンチ3枚全て
得点から除外されることになる。
ヘイメーカーは得点にならないのでパンチの総得点
2点に、コンビネーション6点とカウンター2点を
足して、黒人のこのラウンドのポイントは10点。
もし、ゴングやクリンチのタイルを取っていたら
ここから減点されるので、かなりの痛手・・・
さらにコンボやカウンターのボーナス点が非常に
大きいことも見て取れるだろう。
見事ラウンドを制した者は相手の体力トークン1枚を
取って裏返し、ラウンド獲得マーカーとして手元に。
先にマーカー3枚獲得した方がこの試合の勝者だ!
体力トークンの枚数はそのまま引き継いで、次の
ラウンドが開始される。
・・・いや、もう、コレめちゃくちゃ面白いです♪
個人的には直球ストライク!新鮮すぎるプレイ感!
1ラウンドがアッ!ちゅー間なので、クセになって
何度も繰り返し対戦してしまいました。
リアルタイムってことで、最初はとにかく早く出す
ことばかりに気を取られがち。でも手札使い果たすと
ノーガードになってしまうし、かと言ってあまりに
タイミングを待つとガンガン先手打たれるし・・・
考え所は多々あれど、いざゴングが鳴ったら悩んでる
ヒマなどないところがまた非常にリアル。
遊べば遊ぶほどコツを修得できるけど、左右の手札や
コンボ、カウンターカードの種類など微妙に絡む
運の要素も絶妙です。
ハードパンチャー・コンボ狙い・カウンター使い・
ガード重視等々、そのテーマどおりプレイヤーの
個性が出るシステムを手軽で熱いカードゲームに
まとめた上げた手腕に、ただただ感動するばかり!
ただ、随時カードを出し合うアクション系なだけに
処理を見落としたり、間違って出せないカードを
出してしまってたりすることも多少ありますから
そういう点が許せない人にはオススメしませんが、
2人対戦で新鮮なプレイ感を求めてる細かいことを
気にしない人(笑)には、ぜひ遊んでみてほしい
素晴らしいタイトルです!